野良猫たちを眺めていると、
グレーゾーンに考えがたどり着く。
白でも黒でもないエリアに野良猫たちは
生活圏を確保して生きている。
しかし、最近、気持ちに余裕のない人間の
生活圏からグレーゾーンが次々と
姿を消している。
「ここまでは俺の領分、そっちは他の領分」
と線引きがシビアになっていると感じる。
果たしてグレーゾーンは悪だろうか。
関節で骨と骨との潤滑の役をする
軟骨のような存在と言えなくはないか。
明治時代ごろまで、家には軒先があり、
公の道と家の間に公共のスペースが
あったという。それも姿を消しつつある。
絵描きも社会の隙間に生きている。
いわゆるグレーゾーンだ。
グレーゾーンが次々と消滅している現代を
いかに生き抜くか、野良猫を眺めながら
考える。 |
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