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2月16日

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野良猫たちを眺めていると、

グレーゾーンに考えがたどり着く。

白でも黒でもないエリアに野良猫たちは

生活圏を確保して生きている。

しかし、最近、気持ちに余裕のない人間の

生活圏からグレーゾーンが次々と

姿を消している。

「ここまでは俺の領分、そっちは他の領分」

と線引きがシビアになっていると感じる。

果たしてグレーゾーンは悪だろうか。

関節で骨と骨との潤滑の役をする

軟骨のような存在と言えなくはないか。

明治時代ごろまで、家には軒先があり、

公の道と家の間に公共のスペースが

あったという。それも姿を消しつつある。

絵描きも社会の隙間に生きている。

いわゆるグレーゾーンだ。

グレーゾーンが次々と消滅している現代を

いかに生き抜くか、野良猫を眺めながら

考える。

sketch854

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